- Soft Machine「somewhere in Soho」
またも出た、Soft Machine発掘音源。例によって期待もしないが抵抗もせずに買うわけだが、これは結構当たりだった。
1970年4月、Ronnie Scott’s Jazz Clubでのライブテイク。時期的にはちょうど「Third」発表の直前である。小さいクラブで、ゲストなしの四人編成で演奏されたこともあって非常にタイトで密度の高いパフォーマンスになっている。音質は「Third」並みとでも言おうか、要するにあまりよくないのだが、歓声などはカットされていて、十分に演奏に神経を集中できる。
ディーンの出だしはいつものように頼りないが、演奏が進むにつれ抜群のアンサンブルへと昇華していく。ひとつの聴きどころは、ワイアットのドラムソロだろう。エフェクタや電子音のノイズを使わず、シンバルとタムタムとスキャットを中心にこれだけ長くimprovしているのは珍しいかもしれない。後半、ホッパーのベースがまるで縄跳びのように入るタイミングを図っている様子がおもしろい。セットリストは「Noisette」とかぶる部分も多いが、「Third」の曲を全部やっているのがうれしい。ブライアン・ホッパーによるライナーノーツも興味深い。ファンなら買い。
これでまた、次の糞音源にだまされることだろう…。
- PANGAEA「unu」
厚見玲衣プロデュースによる、19歳のデュオ”PANGAEA“のデビューアルバム。オフィシャルサイトの尖ったコメントにニヤリ。
オープニング、メロトロンのハーモニーには早くもぞくぞくっときた。そしてイアン・マクドナルドがゲスト参加ですよ。宮殿を彷彿のフルートですよ。相変わらずいい味だ。そして19歳のヴォーカルも美しく、かなり聴かせてくれます。ただ、日本語と英語で交互に歌ったりするのには違和感があるね。スローテンポな曲には日本語が合うと思うんだけど…。実際、英語の部分は間延びしていてアクセントやイントネーションがたまに変。歌詞がうたっている世界は音楽とよく合っているけどね。
全体として雰囲気は統一されているが曲調は彩り豊かで、ミッドテンポのキーボードオリエンテッドな曲もあるし、アップテンポなギターポップもあればKing CrimsonやAnekdotenにも通じる悲哀の情を激しく煽るような曲もある。アレンジやサポートミュージシャンがすばらしいんだな。厚見玲衣のメロトロンやハモンドオルガン、イアンのフルートはもちろん、ストリングスやトランペットもよいし、”Fixed Star”のドラムなんてマイケル・ジャイルズみたいだ。ピアノやバイオリンが絡むソロも含めて、この曲がいちばん気に入った。
今後にも注目したい。ライブはどうかな?
注意。これ、CCCDです。初めて買ったよ。リップしなきゃ聴けないのにリップしにくいってどういうこと。これはB’s Recorderで問題なくリップできたようだけど、変なところにノイズが入っていたりしたらむかつくなあ。