詰将棋の原則について (3)

投稿者: | 2004年8月18日

 関連するいくつかの概念について解説しておきます。

本手順
 最善手順のこと。通常は、作意と想像される手順のことを指す。
作意
 作者の意図した手順。原則として最善手順である必要があるが、まれに、作者の勘違いで詰んでいなかったり(「不詰」)あるいは変化長手数で玉方の最善でない場合があるが、その場合もあくまで作者の想定した手順として明かされる。回答者は作意を答える必要はなく、変化同手数などで他に最善手順がある場合はそれを答えてもよい。
変化
 玉方が作意と別の手を選択した場合の手順のこと。これが詰まない場合は「不詰」となる。
変化同手数 (変同と略される)
 玉方の最善手が複数あって、そこで分岐する作意と変化がともに同手数駒余らずになること。程度によってはキズとされる。ただし、最後から2手前の分岐はたいがい不問、最後から4手前以前の分岐についてはキズ扱いとなることが多い。
変化長手数 (変長と略される)
 現代では長手数の詰将棋においてもほとんど見られないが、作意が15手駒余らず、変化が17手駒余り、などのように、変化が作意より長くなってしまうこと。作意が最善手順でないことになるため、100%キズとされる。もちろん、どちらを回答しても正解となる。
変化別手順/変化別詰 (変別と略される)
 変化同手数の場合に、その同手数駒余らずの変化において攻方に別の詰まし方があること、またその手順。厳密には等価な最善手順の片方に別手順があることになるので余詰同然だが、大目に見られることも多い。(2004-08-31加筆訂正)
紛れ
 攻方が取りうる本手順とは異なる手のこと。一般的に、いかにも詰みそうで詰まない手がいろいろ考えられる詰将棋は解くのが難しく、それによって解けたときの達成感や作意手順の巧妙さが光ることになる。「紛れが多い」「紛れが少ない」「23角の紛れはなかなか深い」などと使う。もし紛れが詰んでしまったら「余詰」となる。

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