昼も食べずに来たおかげで、K部君と二局指したらお腹が空いてきた。校内を流れる川を渡り、草木にあふれる敷地を歩いて正門を出ると、濃い緑の並木道が迎えてくれる。本当にこの季節は気持ちがいい。ここに通っていた頃はまさに空気のように思っていたが、コンクリートジャングルで仕事をしたりした後でここに帰ってくると、とても安らかな気分に浸ることができる。バス通りだが、空気はいい。
思い出の街を、しばらくよく見て歩いた。ケンチキ(「ケンタ」にあらず)がつぶれてCoCo壱になっていたり、中学のころに開店して以来よく食べにいった背脂系のラーメン屋が違うラーメン店になっていたり、安かったバーガー屋さんがなくなっていたり、通いつめたゲーセンが焼き肉屋になっていたり、別の通いつめた地下のゲーセンがスナックになっていたり、たまに寄ったゲーセンがなくなっていたり、パチンコ屋と併設のゲーセンがパチスロになっていたりした。一方で、洋食屋やラーメン屋はしぶとく残っていたし、こじゃれたビアホールやピッカピカの看板の食べ物屋もいろいろできていたし、ごちゃごちゃした一角が整理されて立派なビルになっていて、踏切に通じる道もえらいすっきりときれいになっていた。
心や哲学のない街作り、資本ドリブンないきあたりばったりな風景の移り変わり。そうしたものも、この国の伝統となりつつある。ともかく、学生時代を過ごすには活気があって楽しそうな街だね。