- Fates Warning「FWX」(2004, 10th)
おおー!これは快作!!「やってそうでやってくれない」Fates Warningが、ついに天井を突き抜けたかもしれない!まあ、それでも一般のリスナーからはまだ屋根裏じゃんと言われるかも知れないが。
「A Pleasant Shade of Gray」「Disconnected」といい、複雑なんだけど複雑さを極めたわけでもなく、かといって特に(プログレ的に)キャッチーなわけでもないという中途半端な印象だったが、今作は非常に本格的かつ意欲的。
きっと、去年のDream Theater, Queensrycheとの合同ツアーで相当のインスピレーションを得たのだろう。Dream TheaterのリフセンスとQueensrycheの構成力と疾走感を吸収したね。ついでに言うと、最近のDream TheaterのあからさまでくどいまでのMetallica臭がうつらなくて本当によかった。
怒涛のようにヘヴィさとキャッチーさが押し寄せ、疾走する。一曲一曲の完成度が高い。コンセプトアルバムの大作指向を脱したことで各曲の質に気が配られ、結果としてアルバムとしてのまとまりも得ている。起承転承転承転結転転承結の構成美はプログレの醍醐味だ。そしてヴォーカルが突っ走りたいところでリフに寸止めされて欲求不満、ということも減り、ゆったりと聴き入ることができる。もう一曲くらいキャッチーで速い曲があるとよかったというのは贅沢かな。Fates Warning万歳。