自転車でしばらく公園を走って、思うままに音楽を奏でる人たち、手作りの工芸品や似顔絵や詩を売る人たち、犬と戯れる人たちなどを穏やかな気持ちで見て回った。涼しい風が流れる場所で自転車を止め、蝉の声を背に、ベンチに座ってゆっくり本を読んだ。いい気持ち。
でも、都会の公園だから人通りは絶えることがない。いい空気の中で涼むことができたけど、やっぱり人が多すぎるなあ、と思って再び自転車にまたがり、気がつくと、ヘッドホンを付けて加速を付けて公園をもう一回りしていた。ここは都会で、俺は都会の人間なんだと、自分に言い聞かされた気分になった。
本当にくつろいだ気分に浸るには、ここを離れないと、いけないな。