夜は、Machine And The Synergetic Nuts目当てに下北沢Mosaicへ。メールで置きチケをお願いしたときに、初演の新曲もやるという情報をもらっていたので楽しみだ。この「Mosaic」は今月オープンしたばかりの新しいライブバーで、一階がバー、地下にライブホールという構成になっている。ライブホールの内装は白で統一され、天井も高くて、ミュージックビデオの撮影もできそうだ。一階のバーにはモニターがあり、下の様子が映っているが、BGMが別に流れているので音は聞こえない。
Machine And The Synergetic Nuts (“msn”)は一発目だった。開始時間が遅れていて、まだだと思ってビール(Carlsberg)を飲んでいたら、ふいに”Peak”の出だしが下から聞こえてきたので、慌てて降りて行った。二重に防音扉があるので、密閉されていたら聞き逃していただろう。あぶないあぶない。
時間がおしているせいか、拍手を入れるタイミングも与えず、次々と曲をこなしていく。もっとも、アルバムでもほとんど曲間は空いていないわけだが。
新曲の曲名がわからないが、セットリストはこう、かな。
- Peak
- Or Lots Of Squares
- Berlin (キタ━━━(゜∀゜)━━━!!)
- 新曲 (初出)
- Gates Of Difference
- 新曲 (前回のライブでもやった)
グルーヴィで安定感抜群の演奏は鳥肌ものだった。キーボードは今日も顔色ひとつ変えず、流麗なピアノパートとファズのかかった荒っぽいフレーズを交互あるいは同時に弾いたりしている。すごいかつおもしろい。東大卒というのを聞けば激しく納得。対照的によく動くのがベース。跳ぶわ跳ねるわ弾きまくるわ、やたらかっちょいい。ドラムものりのりかつ繊細で、前回よりもよくプレイを観察することができた。フロントのサックスも文句なし。きれいに音が響いていた。
旧曲については総じてアルバムに忠実で、スムーズに聴くことができた。”Berlin”を生で聴けたのがうれしいなあ。初出の新曲は、今まで以上に変拍子が満載。サックスとピアノの絡みがおもしろかった。後半の複雑なリズムパターンには舌を巻く。ドラムのキックに頼ってリズムを刻むしかなかったが、何度か聴けば大丈夫だろう。でも、こういう音楽に馴染みのない人は一回目で諦めてしまうかもしれない。
その意味で周りの観客を見てちょっと気になったのは、乗って踊ろうとしたら変拍子でした、なトラップにかかった人々。”Gates Of Difference”はぜったい踊れないよな…。ぷるぷるぷるぷるぷる、ッパ、なんてまじで踊ったりしたらただの挙動不審者、もしくはテツ、あるいはトモである。
ジャズやプログレッシブロックをベースに電子音楽も一部に取り入れていて、まさに自分が今聴きたい音楽。来月と再来月にまたライブをやるそうなので、できれば両方行きたいと思う。
続いて、GOTH-TRADという人が難しいパフォーマンスをやっていた。上で休んでいたのだが、たまに下を地下鉄が走るような音がすると思ったら、すでに始まっていた。
これは何という音楽なのだろう。ゴスってこういうのだっけ?聞きどころがわからなかったが、やたら音響がよくて耳をつんざくような轟音が響くわけでもないので、なんとなくそこに居た。意味はわからなかったが、周りがみんな拍手をしていたのでそれに付き合った。難しい。
トリは今日の主役、藤原大輔。打ち込み+生楽器のジャズだが、ベースがないジャズというのは不思議な感じ。msnのベースの人も聴きに来ていたけど、何がしかインスピレーションを得たかな、などと余計なことを思ったりした。打ち込みのリズムはたしかにわかりやすくのりやすいのだけど、どうも心に入ってこない。いや、それが心地よいという人が多いのか。キックだけに退化したドラムパートをパーカッションで補っていたが、起伏に乏しく物足りない感じがした。うーん、まずは、聴く自分が先入観をそぎ落とす必要があるかもしれない。足していくばかりが進化ではないしな。
ほかのお客さん達は気持ちよさげに踊っていたので、(彼ら目当てのお客さんが多かったとはいえ)これも好みの問題なのだろう。最後の曲を前に、新譜を買って帰って家で聴き直すことにした。それにしてもサックスっていい楽器だね。サックス奏者二人の掛け合いはなかなか楽しめたし、エフェクターを通した音も新鮮だった。
最後に特筆すべきは、箱のすばらしさ。巨大アンプが目の前にデーンと鎮座して邪魔な上にソニックウェーブ直撃なライブハウスとは格がちがう。また、この白い空間が視覚的にも美しい。ムービングライトがめちゃくちゃきれいに映るのだ。かなりおすすめ。
ああ、楽しかった。観客の女子率が高かったのもポイントか。