FOXは海外ドラマを字幕放送しているのがうれしい。NHKは吹き替えだから、原語も副音声で流れているとはいえ、どうしても日本語の方で聞いてしまう。するとどうなるか。洒落なんかは原作の英語などを翻訳者が日本語に置き換えるわけだから、それがたとえうまかろうがおもしろかろうが、ここで笑ったら負け犬と思って素直に笑えなくなる。すると、会話を聞いていても忙しい。
(あはは、おもしれえ…いやまて、笑うのはまだ早い。今のは原語でなんて言ったんだ?んー、たぶん口の動きからするとほんとにそう言ったんだな、よし)アハーハ!とか、
(あは、いやまて、今のは日本語の駄洒落じゃねえか。口の動きを思い出せ。原語ではどんなジョークだったんだ?クソ、俺ぁ読唇術なんざ持ってねえよ!わかんね!)ンッフウ。てなことになってしまうのである。
翻訳という仕事に敬意を払いつつ理由を説明するのは難しいが、まあ、わかってくれる人もいると思う。
いちばん許せないのが「King Of The Hill」の吹き替え版。あれは英語で聞かないとぜんぜん意味がない。字幕を読んだのでも意味がない。…とかこだわっておいて、自分が聞き取れない言語だと大して気にもせず笑ってしまう俺は本当の負け犬かもしれない。「負けるが勝ち」の境地に達するのはいったいいつの日か。