東西線〜南北線と乗り換えて行ったが、結局遅刻してしまい、劇場に入ったときには15分近く経っていた。
マグナムブラザーズ第14回公演は「王子のホテルの25分」。25分間にパラレルに進行する複数のストーリーをオムニバス形式で展開するコメディ。
最初のシーンは、途中からになってしまったせいか初めはあまり笑えなかった。板宮さん演じる男の抜けたキャラは、あまり人を落ち込ませるのとは無関係なところで発揮する方がおもしろい。観客の空気も、三浦さん演じる女の子に同情してしまった感じ。そして発狂してしまってからは笑いを挟みにくかったと思う。梁島さん演じるデカ女の持ち込むシュールさがいまいち活きていないように見えた。しかし、嶋さんの主任は前回も思ったがはまり役だね。彼の絡みで持ち直した。
次のシーンが秀逸だった。あれは渡辺君のキャラ勝ちだなあ。観客はいつも次の笑いを待ち構えているという状態。そしてA・KI・RAさんは体張ったねえ!最前列なので目のやり場に困りますた。二人の掛け合いは息がぴったり。そして八木さんは衣裳からかわいいね。こういう喜劇に欠かせないすばらしいボケキャラで、渡辺君のエキセントリックなキャラとの絡みがこの劇のハイライトだった。
そして主任の部屋のシーン。ほんとにトホホ役が似合うねえ。デカ女の逆切れに得意の「なんなんだ!」が出て笑った。蝦名さんの小悪魔キャラもいい。また見たいが、その純真さに刺され続ける梁島さんの役の方が見ていてつらかった。
劇を通してのスパイスは早崎さんのオレオレ役。ときどき地で答えるのがよかったね。でも、てっきり最後の仕送りの金を盗みに来てデカ女に吊るされるかと思ったら外れた。目をつけられているから無理か…。
全体的におもしろいドタバタ劇なんだけど、ちくっと痛い話が表に出ていたのでコメディとしてはいまひとつ笑いづらかったかもしれない。相変わらず各人のキャラが立っていておもしろいが、やや常連向きだったか。気づけば自分も常連なのだな。次は、スケールの大きな話で緩急自在の掛け合いを期待したい。今日は楽しかったです。