さて、布と言ってもいろいろあり、その選択は難しいところです。研究と試行錯誤の結果、以下の性質が欠かせないと結論しました。
- キーボードを覆い隠すだけの広さ、特に横幅があること
幅が足りないと、埃を防げないばかりか、打ちにくくてしかたがない。ふつうのハンカチなどは、幅が足りないので失格となる。 - 適度な伸縮性、柔軟性があること
言うまでもないが、Kinesis Ergo Elanには凹凸がある。というか、凹がある。ここに自然に布が沈み込んでくれるためには、柔軟性が必須である。布とキーの間に隙間ができてしまってはキーが打てない。また、使っているうちにずれてくるが、そのときにも指に逆らわないためには、伸縮性も重要である。これで、立派な刺繍の入った堅めの布や、干していたら凍って板状になってしまったハンカチなどは脱落する。 - 余計な空気を含まないこと
適度な柔軟性は必要だが、柔軟すぎるのも困る。柔軟剤のコマーシャルに出てくるような、ふかふかのタオルを敷いてタイプするところを想像してみてほしい。何cm分も指を押し込まないとキーが打てなくなってしまうのだ。というか、へなへなのタオルでも充分辛い。手や指に余計な負担が掛かっては、このキーボードを選んだ意味がない。よって、タオルや雑巾、猫などは除外される。 - すべらないこと
キーを押下すればその周りの部分が引っ張られるのだから、使っていれば当然布は微妙に動く。しかしあまりすべりがよすぎると、布は、その歪みを伸縮よりもずれによって解決してしまう。使っているうちに端がめくれてしまったり、手を放したら布がずり落ちてしまったり、右手の動きで布が引っ張られて左手に伝わったりするのは非常に不快である。あまりすべりのよい素材も考えものだ。そこでシルクの布、バナナの皮などは落選となる。
上記を踏まえて、今僕が愛用しているのは次の二種類。
- さらし布
さらしは薄くても弾力があり、理想的な素材だ。薄地を二枚重ねに綴じ込んだものが望ましい。ただし、さらし布には綿の粉が目の間に詰まっていたりするので、あらかじめよく濯いでから使おう。 - 日本手拭い
これもおすすめ。いろんな柄のものが売られているので、選んだり替えたりする楽しみがある。
そして、もしかしたらいいかも、と思うのはこれ。
- 枕カバー
ピロケース。実はこれですっぽり覆ってしまうのもいいかもしれない。これならシルクもOKか。ただし、F4はどこだっけ、なんてときに外すのがめんどくさいから常用する気にはならない。