DVD「ハレ紀」を掛けながら、先日のライブの興奮を思い出す。そのときのセットリスト。
- 痛ましき晦冥
- 暁に楽師が
- 太郎という生き方
- 精武門
- 禁油断者マドリガル
- 韜晦序曲
- 美深
- 氷島
- 願いかなえるこどもをつれてゆこう
- 月の位相 II
- 心の中の古代
- シズカへの扉
- Tjandi Bentar
- Echi dal Foro Romano
- 陰鬱な日記
- 暁に楽師が
- Good days bad days
〜アンコール〜
- Gips
- 空に光る
ギターソロ、カンテといきなり新曲二曲から始まった。意表の出だしは効果覿面、これで観客全員が静かな気持ちで耳を傾ける心境になった。そこに最新アルバム「天鵞絨症綺譚」の楽曲の中でも比較的軽量級の「太郎という生き方」。ライブでは初演奏のようだ。ドラムンベースのような浮遊感と心地よさ。軽快なドラムの間を舞い、踊り歩くようなベースはいいなあ。主にリードを取るキーボードもオリエンタルで時に神秘的。
そして!「精武門」のリフがキタ━━━(゚∀゚)━━━!!盤石のリズム、冴えるデュアルキーボード、ヘヴィだがひとつひとつの音まで丁寧なギター。もう完全にノリまくり。序盤から中盤、中盤から終盤への流れがすばらしい、さすが小口健一作。さらに天鵞絨から二曲続いたが、アルバムよりもヘヴィだった。闘魂ドラマー村石から小森に変わりドラムに繊細さが出たことで、ドラマー以外が暴れやすくなったのかもしれない。
「願いかなえる〜」のドラムパターンはアルバムオリジナルの「トッテットトッテットテットトテト」(ト:キック, テ:スネア)がアクセント利いてて好みだなあ。「謙遜愚素」では忠実だけど、PROGFEST 2000あたりから足数増えた?今回はだいぶ違っていて、やや抑えめで少し物足りなかった。
いちばん圧巻だったのが小口作の「Tjandi Bentar」。本人のプレイも冴えまくり。三枝俊治のベースも、単純だが精巧なパターンをひたすらストイックに繰り返す。頭から離れないよ。テッテレッテ、テッテレッテ、テッテレッテ…。テレレテッテレレテッテッテレレテッテレレ…。ポリリズムなのかどうなのかもよくわからないが、全パートがついてシンクロしたり、離れたり、目まぐるしい。よくこんな曲を間違えずに弾けるものだ。一つ音を間違えたらおしまい。演奏を終わって清水の最初の一言も、「難しいです」だった。(わら
続いて光田健一作の「Echi dal Foro Romano」。きらびやかで美しいイントロから、イタリアンテイストの主題に突入。耳と心に残る音だ。これって本物のアコーディオンでもできるのかな。かなり音引っ張ってるから難しい?ふと、Cobaが聴きたくなったり。
MCで大脳生理学の話を始めたかと思うと、そのまま「陰鬱な日記」に突入。本当に生演奏でもボイスエフェクタかけててわらた。さっきのMCネタの「チアリーダーがKENSO」言うてるし。
途中、U.K.のコピーをやったりすばらしいキーボードソロがあったり、カンテが効果的に入ったりしたが、いろいろありすぎて残念ながら全部を子細には思い出せない。最後のアンコールは、もう予定調和のように、「Gips」と「空に光る」だった。みんな、これらを聴かずには帰れない!「Gips」はそつなくこなしたが、清水が「僕の原点」と言った「空に光る」は冒頭ギターが肩からずり落ちて中断。原点に帰ってしまい、観客も爆笑。二度目は成功。
こうして終わったが、かつてないほどパワフルなライブだった。Hと二人で音の洪水に打ちのめされ、川崎駅構内のKirin Cityに入ると、ジャッキーチェンの映画のようにがつがつと食いまくって帰った。
「ハレ紀」DVDもすばらしい。各演奏者のおいしいカットがこれでもかというくらい入りまくっているのでおすすめだ。二人のキーボーディストの指捌き、時に繊細で時に激しいギター、寸分の揺らぎもないベース、清水のピアノやMCも収録されているし、盛りだくさん。特にGipsでの村石がすげえ。ジャズドラマーの手とメタルドラマーの足を持っているのだろうか。うーん。もうKENSO最強。ついていくしか!