また三冊、大当たり

投稿者: | 2003年11月13日

 受託先への出社前の時間つぶしに、VVで本を漁った。

  • 北川透 編解説/三木卓 エッセイ「萩原朔太郎詩集」ハルキ文庫

     心の奥を、ビリ、ビリ、と刺激されまくる。女とひとつになりたいと思う気持ち、「恋を恋する人」。女と会う前はいつも、やりとりを想像して言葉を用意してしまうし、それで迷って電話のボタンがなかなか押せなかったりする。遠いものへの憧憬、無常な自然との奇妙な対峙、哀れなる存在への愛情、淀みない自己観察、言葉への挑戦。僕が詩に、詩情に求めるすべてがあるなあ。

  • 保坂和志「世界を肯定する哲学」ちくま新書

     イデオロギーや経済理論に拘泥すると、理想と現実が合わないのはすべて現実がまちがっているからだ、という考えに陥りやすい。選挙戦で思ったのは、自分たちが考える正しさというものをアピールし、プレゼンテーションするやり方がみな下手くそだということ。と思(怒)っていたら、こんな本を見つけて、多少は溜飲を下げた。

     また、僕は視覚、嗅覚、といった感覚が及ぼす思考への影響ということに昔から興味を持っていて、よく人とそういうテーマで雑談をする。この本は、心理学や哲学の学問的な領域から半歩ないし一歩踏み出して考察していてとても興味深かった。著者も模索をしながら書き進めており、連載記事をまとめて単行本したということもあってところどころに逡巡や矛盾も見られるが、それが言葉、哲学というものでもある。

  • おいしい紅茶と紅茶の時間」成美堂出版

     「おいしい」と「と」と「時間」を見て手に取ってみたら、紅茶の本だった。買うしかないでしょう!

 今日は大当たりだな。

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