夜はミーティングを途中で抜けてコート・ドールへ。白金高輪から、タクシーで10分ほどの三田ハウスは落ち着いた佇まいだった。
ちょっとドキドキしながらドアを開け、フロントで名前を告げる。ここまではけっこう緊張していて、万が一カードが使えなくなったらと思って現金で十万も財布に入れてきたほど。到着もぎりぎりになってしまったので、納得の行くオーダーができるか心配にもなっていた。
しばらくして通されたテーブルは、電話で予約したときに最後のひとつと言われたラッキーな席。ここは言わずもがなの高級なお店だけど、もてなしが丁重かつやわらかくて、とてもリラックスした気分になった。
まずはシャンパンをいただいて姫君と乾杯。半月遅れの誕生祝いだ。そしてじっくりメニューを吟味する。残念なことにオマール海老と鴨がもう切れてしまったということで凹んだが、豊富に残るオプションから悩みに悩み抜いて料理を選ぶ。
注文のときに、何皿くらい食べられるものか聴いたら、男女二人なら前菜二、三皿にメイン二皿程度で十分だと言う。本当かなと思いながら、五皿頼んだ。
次にワインを選ぶ。これも相当に悩んだ。ソムリエがえらかった。一押しの白についての説明がとても魅力的な一方で、姫の思い入れのチョイスについても、その良さをいろんな言葉で表現してくれる。当然大いに迷うわけだけど、これは楽しい時間だよ。最終的に選んだのは姫のファーストチョイス、00 Pouilly-Fumé Grand Millésime。本当にすばらしかった。辛うじて、これを味わう舌を持っている喜びに浸ったけれども、今振り返って、それを雄弁な言葉で表現する舌の方は持ち合わせていないのだった。おこがましい、ともいう。白がこんなにうまいと思ったのは初めて!とだけ言っておこう。心の中に、味の記憶を大切にしまっておくことにします。
まず運ばれてきたお皿は、赤ピーマンのムース トマトソース添え。これは全員に振る舞われる名物なわけですが、これがね、笑っちゃうくらいおいしいんです。スプーンですくって口に入れたら、もうそのまま固まってしまいたい。赤ピーマンのほのかな甘みと、トマトの酸味が口の中で絶妙のストライプを成します。
ひんやりと冷たいので、脳天をしゃきっとさせつつ、舌の根っこの味覚をゆっくりと起こしていくような、そんなすばらしいアペタイザー。
次は野菜のエチュベ。これも冷たい、酸味の利いた一品。この野菜は酢で蒸してあるはずなのだけど、どうしてこんなに歯ごたえがいいのだろう。蒸し具合が技なのだね。白ワインも進みます。
最近の不摂生で口の中が若干荒れ気味だったので、突き刺す酸味に叱られているようでした。そう、おいしいものは体調を万全に整えていただきに参らなければなりません。
さあ、味覚は起きた。何でもござれ!
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