子は育つ、親も育つ

投稿者: | 2011年10月28日

子供が生まれてから一、二ヶ月くらいは親になった実感があまりなかったというのも今は昔、一歳十ヶ月を迎えた今では子供への愛情は自分の一部、まるで所与のものとなっていて、とりたてて言うこともないほどだ。
だいぶ間が空いてしまったので前回からここまでの坊やの成長の歩みをまとめると、つかまり立ちから脱したのは一歳一ヶ月。自立して歩けるようになったのでこういうジャングルジムを買い与えると、すぐに階段を上って滑り台を滑って見せ、そこから瞬く間に手足の使い方を覚えていった。中をくぐる、手すりを伝うなどの動きを通して自ら、落ちそうになってもすばやく手すりをつかんで体勢を立て直す、必ず三点で支えながら重心を移行するなどの基本的な体術を身につけた。滑り台も降りるのではなく登る方に楽しみを見出し、さらには一時間以上も二階部分でぐるぐる回りながら過ごすなど、どんだけ体力有り余ってるんだ的パフォーマンスを見せ、何週間かするとてっぺんで海老反りをするまでになった。
こうした鍛錬のおかげで、一歳四ヶ月くらいで公園によくある高さの滑り台に登って自分で滑れるようになっていた。公園での遊び相手も、もっぱら一歳以上年上の子ばかりだ。しかし、一人っ子らしく我は強く、よほどその場で言って聞かせないと他所の子におもちゃを譲ったりしないし下手をすると顔を引っ掻いたりするのでこっちはヒヤヒヤものだ。
ところで、家の近くには消防署があり、妻がいつもベビーカーで見学に連れて行くので名物赤ちゃんとなり、何度も消防車や救急車に乗せてもらったり、シールなどのグッズをもらったり、現場から戻ってきた消防車と道ですれ違うときに声を掛けられたりする。もちろん家には消防車や救急車のおもちゃがたくさんあるし、消防博物館にも行くし、放水体験をしたり記念撮影をしたりとすっかり緊急車両マニアになっている。最近では消防署に飽き足らず、やはり比較的近所にある警察署に遊びに行っては、「まーりさん」(おまわりさん)に「カッパー」もしくは「パカカー」(パトカー)に乗せてもらったりしているようだ。親としてはあまりそうした車に乗る機会がないことを願っているが。
彼はしゃべる方も比較的早く、一歳前後でパパ、ママ以外にアンパンマンやら消防車やらパトカーやらを意味する単語を発し始めた。一歳三ヶ月のときには語彙が十語を数え、一歳半のときには三語の「文」を作っている。風の強い日に、ベランダを指して「ママー、パパ、あーあ。」と言ったので何かと思ったら、「ママ、パパ(の服が)あーあ(落ちたよ)」と伝えたかったらしい。いつも、食べ物を床に落としたり、おもちゃをベランダから投げ捨てて落としてしまったりしたときに「あーあ」と言うのを聞いているからだろう。(落ちた洗濯物を見て、誰の服かも認識しているということだ)
動詞をよく操るようになったのは一歳七、八ヶ月頃からで、「食べる(意思)」「食べた(完了/過去)」「食べて(依頼)」のような活用もあっというまに覚えた。ほぼ同時に恐怖の「やだ」を習得し、早くもヤダヤダ期を迎えてしまう。「あとで、やだ!」「待ってて、やだ!」「寝る、やだ!」と手が付けられないこともしばしば。
何度も挫折した離乳は、一歳八ヶ月のときに再々挑戦し、三日三晩泣いては「おねがい」攻撃で懇願されたりと大変だったが、なんとか成功した。その後、暖めた牛乳を哺乳瓶で与えるようにしたら落ち着いたが、300mlくらいをいつも一気飲みしてお代わりを要求するというのを日に二回はするので、1リットルパックが二日持たない。ちなみに最初からずっと100%母乳で粉ミルクはまったく口を付けなかったので哺乳瓶には不慣れだったが、いいタイミングだったようだ。離乳してから、ごはんもたくさん食べるようになってうれしい反面、急なタイミングであれが食べたいこれが食べたい言い出すので大変だ。
一歳十ヶ月となる現在は、「トミカ見に行くの!ママ、行こ!」「これ、昨日パパにもらった」「○ーちゃん(自分)、ママ、ばあば、一緒、公園行った」「パパ、寝て。どうぞ。」「パパ見ててやだ!あっち行って!」など言いたい放題となっている。
父親として滅入るのは、朝、最初に俺の顔を見ての第一声がいつも「パパやだ!」なことだ。むりやり抱っこして明るいリビングルームに連れて行き、窓の外を見せたり牛乳を飲ませてやったりして機嫌を直せば「パパ、大好き。ごめんしゃい。」とか言ったりするので親はやめられないわけだが。
と、そんな感じで楽しくやってますよというお話。あ、よっしーのところも生まれたそうで、おめでとうございます!子育て仲間は多ければ多いほどいいよね。そんなに家も遠くないしご近所付き合いしましょう。

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