せっかくの入替戦のチャンスだったが、後ろ髪引かれる思いで一路川崎へ。今日の集中力では足手まといだったに違いないと自分に言い聞かせ、みんなの活躍を祈る。
浜松町から川崎は近い。ほどなく親友Hと久しぶりの再会を果たす。彼としか通じない間、というものがある。たぶん、誰を加えてもぎこちなくなる気がするからいつも二人で会う。お互い仕事で忙しかったりするので、年に一回のKENSOのライヴは、格好の再会の口実として恒例化している。
実は、忙しさにかまけてKENSOの新譜、「うつろいゆくもの」をチェックし忘れていた。というか、一ヶ月も前にCDが出ていたことを会場で知った体たらく。当日発売開始とばかり思い込んでいた。予習なしのライヴとなってしまったが、これほどの期待感もそうそう味わえまいといい方に取る。
開演前、Hが携帯でクソゲーをダウンロードしたというので、見てみたらストIIだった。しばらく遊んでみたが、携帯で飛び込みからの連続技なんて無理!投げハメとかあり得ないキャンセルコンボで遊ぶ代物だった。そんな中、Hが飛び込みキックからの電源ボタン連続押しの電撃コンボを華麗に決めた。本当にクソゲーだった…。
ほどなくライヴが始まった。それはすさまじいパフォーマンスだった。前作で導入した新しい楽器、声、リズムなどの要素を吸収・同化して、森や自然そのものがロックしているような、本能と野生のうねりを体感した。フォーバスの重量感もすごかったし、ベースは冴え、ギターは呻り、キーボードの厚みと彩りはすばらしかった。正直をいえば、ギタープレイに関しては旧曲の方が目立つが、役割が変わってきたということか。
体は本当にしんどかったが、軽妙なMCにも和まされて、たっぷり二時間半を楽しみきった。最後の「精武門」のスタンディングでの盛り上がりは格別だった。リズムが複雑だからノりづらいけどね!
ライヴを終えての二人の感想は、「すごかったが、何がすごかったのかはまだよくわからんな。」だった。ただ、ついに、新生KENSOでしかなしえないものを味わえた実感は強く残った。あとは帰ってじっくりCDを聴き直すとしよう…。
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