冷たい風の吹きすさぶ夜、坂道を自転車で上りながらChroma Keyなんか聞いたりして男の独りを楽しんでいると、俺は本当に気分に浸るのが好きだなあ。
衝撃的な何かに平穏を破壊される夢を見ながら、さわやかな諦めに身を委ね、ときどき本気の熱情を発揮してことを成し遂げては、自分にひそむ青い若さを確認する。
もっと人間に感動したいと、切に願う。薄っぺらい慣れ合いはもういいから、ギラギラした野望とか、屈折した自信とか、強烈な皮肉とか、もっとちくちくと出そうぜ。本気で話をたたかわせることもめっきり少なくなったが、来るべきそのときのため、持てるすべてを鋭利に削っておくことは怠らない。削りたての鉛筆のにおいで思い出すのは…。