アドレス帳の管理はvCardで一元化していたが、携帯電話との同期が最大の課題だった。PCと携帯電話の連携ソフトはいろいろあるが、どれも一長一短だ。特にデータの相互変換には制約が多く、データ劣化が避けられない。

 まず、いちばん筋がいいのがMac OS Xのアドレスブックでアドレス帳を管理し、携帯Sync for Macを入れてiSyncする方法。しかし、これには何点か問題があった。

  • グループのサポートが不完全

     OS XのアドレスブックはvCardのインポート機能とエクスポート機能の仕様が非対称なのが困る。エクスポート時はCATEGORIESを出力するのに、インポート時は同項目を無視し、NOTECATEGORIESの内容を追加してしまう。既存コンタクトのアップデートは問題ないものの、新規カードをインポート後に自分でDnDするのは煩雑な作業だ。ならば携帯Sync本体の電話帳にインポートしたらどうかと思ったが、こちらもグループのサポートは不完全でダメだった。

     もっとも、アドレスブックへのインポートに関してはABAddressBookのAPIを使えば自由に操作できるので、vCardからのインポートツールを自分で書けば解決可能だ。

     より大きな問題はiSyncの方で、リュウドによるiSync conduitはグループを同期できない。ただし、同社のサポート窓口に問い合わせたところ、これはiSync(今のところ2.1)の制約らしい。

     余談だが、アドレスブックでは一つのカードが複数のグループに属することができるが、携帯電話の「グループ」はたいがい排他的にしか属することができない。こうした違いも、Appleがグループの同期機能の提供をペンディングにしている一因だろうか。

  • 電話番号やメールアドレスの順序を保存しない

     これが致命的に困る。携帯だと一人あたりメールアドレス3つまでしか登録できなかったりと上限があるが、アドレスブックは携帯専用ではないので、一人に5個くらいアドレスを入力していることも多い。ところが、よく使われる順で入れておいてもアドレスタイプで勝手にソートされてしまう。

     iSyncはその中の上位の物を同期に使うので、「勤務先」アドレスがまず設定され、「その他」である*1携帯アドレス

    や「自宅」アドレスは後回しになってしまう。iSyncを別にしても、type=prefの設定・変更方法がないのはまずいと思う。

     ただ、そんなにアドレスが多い人は「@work」とか「@home」とか「@play」などとサフィックスを付けて複数のカードに分割するのが妥当かもしれない。それでもprefに次ぐアドレスを固定できないことには変わりがないが。

 結論としては、Mac OS XのアドレスブックiSyncはとてもよくできているが、まだかゆいところに手が届かないというところ。上記以外でも、アドレスブックにおいては任意のフィールドを設定・保存できるようにし、たとえばiSync conduitが同期対象デバイスを判断するためのフィールドを定義できるようにするなど、今後改良してもらいたい。

*1 vCardのEMAILフィールドには携帯デバイス用のtypeが規定されていない


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