社団戦三日目 第一試合

投稿者: | 2004年9月12日

 今日の初戦の相手は「東京理科大OB会」チーム。初日に3勝1敗の好成績を挙げながら、二日目に謎の全休をした不気味なチームである。今日も来ないでこちらの不戦勝になれば、などと淡い期待を抱いてしまったが、さすがにこの日はメンバーを揃えてやってきた。

 こちらも、他大会とぶつかったために苦労してかき集めたこの日のメンバーを、精一杯の最強の布陣を敷いて迎え撃つ。

 自分は大将戦で後手番一手損角換わりを敢行した。下が途中図。狙い通り先後逆の展開になり、36金を見て65歩と仕掛けたところ。相手の銀を動かしての47角を見ている。

 先手からの強烈な玉頭攻めも見えており難しいところだが、手損が仕掛けのタイミングを与えてくれたとも取れ、作戦としてはうまく行ったと思った。しばらく進んで次図。

 馬を作って引きつけてから、ついに47銀が実現し、飛金と角金桂を取り合った局面。壁銀が不安だが、馬と成銀が手厚く、51飛には41金、71以遠なら61歩を用意している。王手飛車が残っているし、73桂も同じ筋があるのでただでは取られない。まずまずと思った。

 そのまま二枚目の馬を作って押さえ込みに入ったが、一失があって捌きを許し、少し難しくなってしまった。

 この飛車成の催促が実戦的な好手だったと思う。69銀は79金打でたいしたことがないし、56馬から切るのも無理筋と、金銀で攻めるのは難しい。結局、この飛成で33桂成と取らせることで上部が厚くなったのが大きかった。入手した桂をこの戦法の肝である85の空間に打ち、93に香が上がっていることも生かして、セオリー通り薄い端を攻めた。

 最後の決め手。薄いが上部に厚い玉形に守られ、うまく勝つことができてほっとした。

 周りを見ると、副将のM君が病み上がりを感じさせない気迫の攻めを見せている。最後は負けてしまったが、手応えは十分見て取れた。また四将のOさんも時間切れという残念な幕切れだったものの、内容はよかったようで、次以降への期待を感じさせた。五将のIさんは大優勢から危なくしかけたが、綱渡りのような手順で逃れて最後は敵玉をうまく詰めて勝利。六将のAさんは結局不戦勝、七将のY君は惜敗。残る三将のKさんにチームの勝敗が委ねられた。

 見ると相手はほとんど切れ筋で大差だったのだが、唯一不安なのが裸の王様。これを逃がすなり先に守るなりすれば紛れる余地がなかったところを、相手の攻防の香の威力を軽視して急に危なくしてしまう。Kさんが受け間違えれば相手氏も攻め間違う、という微妙な応酬により、双方のギャラリーは何度も悶絶させられた。しかし、最後の最後はKさんが地力を出して、一手の余裕を生かして美濃を玉頭から崩して逆転勝利。薄氷の一勝を挙げたのだった。

 終了後の昼休みに、理科大チームの人から「あ、ここまで全勝だったんですか。(うちに負けそうになったとは)危なかったですね。勝ってよかったですね。」と言われ(笑)、参戦初年度で必死に戦っているうちとは違う余裕を感じた…。

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