「chienowa 18」@渋谷公園通りクラシックス

投稿者: | 2004年8月22日

渋谷公園通りクラシックス

 西荻からJRで渋谷に向かったが、ゲーム中には一度もやって来なかった眠気が、ついに30時間ぶりにやってきた。寸眠を繰り返し、無事、乗り過ごすことなく渋谷に着いた。

 ハチ公口から横断歩道を渡り、公園通りに折れてすぐの所に渋谷公園通りクラシックスがある。駐車場を降りて行くと、なじみのあるMachine And The Synergetic Nutsの曲が聞こえてきた。まずい!開演時刻から15分ほど遅れてしまったが、残りの数曲をたっぷりと聴くことができた。

 Machine And The Synergetic Nutsの演奏は、前回や前々回にも増してすばらしかった。ここは壇が低く、非常に密接的なガレージ的空間なので、間近で見て聴くことができる。1stアルバム後の新曲も、二度目、三度目ということもあるがどれも曲の輪郭を把握でき、聴くことができた。

 客層は前回と同様、若い人ばかり。以前のライブの話をしていたりして、常連化していることがわかる。6-4-6-4/4や5-5-3/8などの複雑なリズムにもよく乗っているし、途中で抜ける人もいない。すばらしい(・∀・)

 小規模なスペースということで気を遣って写真は撮らなかった。ステージに奥行きがないためか、左からサックス、キーボード、ベース、ドラムと横にフラットに並んで奏でていたが、それぞれの音がベクトルを持って響き、自分の耳の中できれいにアンサンブルとなって聞こえた。生の音楽の醍醐味だ。

 演奏は勢いと躍動感に溢れるが、同時に安定感も抜群。また、完成されたスタジオ録音の完全再現に終始するということではなく、Improvっぽい各楽器の掛け合いもあっておもしろい。アイコンタクトや合図となる音を各自が交わす様子も見えて、プレイヤー達が楽しんでいる様子も伝わってきた。

 来年の1月に9曲入りの新しいアルバムが、それもなんとCuneiformから出るそうだ。楽しみだなあ。

 Machine And The Synergetic Nutsが最後の曲を終えると拍手が響き渡り、アンコールを求めるムードになっていたが、時間の都合なのか、さっさと機材を片付けて次のバンドの準備に入ってしまった。しかたないけどちょっと残念。

 しばらくの準備の後、music from the marsのステージが始まった。これもまたよかった。左からグランドピアノ、ギター兼ヴォーカル、ベース、ドラムと並び、ポップな歌メロを持ちつつも、各パートが創意に溢れるプレイを繰り広げる。歌もうまかった。かなり演奏のスタイルがプログレっぽいとはいえ、曲自体には奇数拍子や変拍子は(たぶん)ないので、誰でも親しみを持って聴けると思う。(公式サイトに試聴用音源があります) すばらしかった。

 音響的にはそこそこだったこの空間で、ただひとついただけなかったのが椅子である。自分のように座高のある人間は、後ろに気遣って、前かがみになったり腰を前に持ってきて反ったりと姿勢をよく変えるのだが、どんな姿勢を取っても、このすのこ状の木の椅子は尻になじまない。

 途中、何度か曲に乗りなつつまどろんでしまったが、それがたまらなく心地よかった。薄い意識の遠くからピアノが聞こえてきて、覚醒するとベースとドラムが体の芯に響き、サックスの音色が寝起きでやや火照った体をやさしく包む。新しい音楽の楽しみ方が…。

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